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鈴土 知明
no journal, ,
照射によって金属結晶内に生成される格子欠陥は、移動や結合を繰り返し、徐々に製造時の金属組織を変化させていく。そして、最終的には材料の機械的性質を大きく変化させ、場合によっては必要とされる材料強度が失われてしまう。このような現象は、高経年化の問題を抱える現行軽水炉に使われている構造材料だけでなく、将来の核融合炉などでも、避けては通ることができない重要な問題である。この講演では材料の照射効果について簡単に説明し、キネティックモンテカルロ法の照射効果の解析に対し、実際の応用例を紹介する。特に、速度論方程式とのカップリングを目的として行われた研究について力点を置いて話し、最新の研究(著者による最新の成果も含めて)の現状を概観する。
板倉 充洋; 宮代 聡*; 沖田 泰良*
no journal, ,
現在さまざまな金属について性能の良い分子動力学ポテンシャルが開発され、大規模な分子動力学計算によって新たな知見が得られているが、実用材料、特に合金に関しては分子動力学ポテンシャルの開発はあまり進んでいない。オーステナイト合金の軽水炉での照射脆化等の計算科学研究によるモデル化には分子動力学ポテンシャルの開発が必須であるため、その出発点として本研究では基本的な物質特性を再現するポテンシャルを開発して基礎プラットフォームを構築する。これまでの研究で、鉄・クロム・ニッケルをランダムに配置した小規模な系での電子構造計算を多数のケースについて行い、このような三元系のポテンシャル開発を行う場合に必要となる電子構造計算の原子配置ケース数や計算精度を見積もった。その結果、32原子程度の小規模な系では50ケース程度の原子配置ケースが必要であること、及び各原子の最近接ペア間の相互作用は最大でも0.08eV程度と大きくなく、オーステナイト鋼が急冷されて製造されることを考慮すると、電子構造計算において完全にランダムな配置を用いることは物理的にも妥当であることがわかった。今後このポテンシャルを改良し点欠陥や点欠陥クラスタのエネルギー及び移動障壁エネルギーが再現できるようになれば、照射によって生成する格子欠陥の分布を知ることが可能となり、また耐蝕性を担うクロム原子が照射により材料中でどのように移動するかを調べることで照射が耐蝕性に与える影響を調べることが可能となる。